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HOKUTO建装のよもやま話~劣化~

皆さんこんにちは!

HOKUTO建装 更新担当の中西です。

 

~劣化~ ️

外装・内装を問わず、塗膜は紫外線・水・熱・汚れ・機械的ストレスに晒され続けます。劣化のサインを早期に捉え、原因に合わせて手当てすることが、美観・耐久・ライフサイクルコストを左右します。現場で使える視点だけをギュッと整理しました。

 

1|代表的な劣化症状(見える順)

  • チョーキング(粉吹き):触ると白粉が付く。樹脂分解と顔料露出。
  • 退色・艶引け:UVと熱で樹脂が劣化、色が浅く艶が落ちる。⬇️✨
  • 汚染・雨筋:親水性不足や静電で埃が定着、流下水で筋状に。
  • 藻・カビ:北面・日陰・水はね部に発生しやすい。
  • ヘアクラック:微細な線状の割れ。下地の乾湿や熱伸縮が原因。
  • 膨れ・剥離:含水・塩分・下地未処理・相性不良で付着喪失。⚠️
  • 錆・錆汁:金属下地や金物部からの腐食流出。
  • 白華(エフロ):モルタル系での石灰分析出。⚪️
  • 粉化・脆弱化:古塗膜が劣化し、擦ると崩れる。

 

2|メカニズム(なぜ起きる?)

  • 紫外線・酸化・加水分解:樹脂骨格が切れて脆くなる。☀️
  • 温度サイクル:熱膨張差で応力集中→クラック。️↔️
  • 水分・塩分:含水や塩分が付着力を下げ、金属は腐食促進。
  • 化学汚染:排気・酸性雨・アルカリ成分との反応。⚗️
  • 施工起因:洗浄・ケレン不足、過希釈、規定膜厚未満、乾燥時間無視、露点管理不足、下地と塗料の相性不良(可塑剤ブリード等)。⏱️

 

3|素地別“要注意ポイント”

  • 金属(鋼・亜鉛・アルミ):錆・白錆・電食。防錆エポ下塗り+膜厚管理が命。️
  • モルタル/コンクリート:アルカリ・含水・白華。含水率・pHフィラーで平滑化。
  • 窯業系サイディング目地シール劣化→浸水→剥離打替え前提で計画。
  • 木部:吸い込みムラ・含水変動。含浸系+上塗りで追従性を確保。
  • 屋根(スレート/金属):高温・雨打・縁切り不良が致命傷。遮熱・防錆・縁切りがキモ。☀️

 

4|現場でできる簡易診断

  • チョーキングテスト:手で擦り粉の量を確認。✋
  • 付着性:クロスカット/引張(必要に応じて)。
  • 膜厚測定:電磁式・渦電流式で下塗り含む総膜厚を見る。
  • 含水率:モルタル・木部はメーターでチェック。
  • 塩分試験:海沿い・道路沿いでの表面塩分。
  • 赤外線サーモ:膨れ・含水部の非破壊確認。️
  • 目視・打診:浮き音、ヘアクラックの分布、錆の発生源。

➡️ 診断は**「症状→原因仮説→試験で裏取り」**の順で。**いきなり塗り直さない。**

 

5|対処の優先順位(ステージ別) ⛑️

  • 初期(汚れ・軽微な艶引け):洗浄・撥水/低汚染コートで延命。️
  • 中期(チョーキング・退色):下地調整+再塗装(グレード見直し)。
  • 後期(クラック・剥離):補修工法+再塗装(Uカット・シール、樹脂モルタル、錆処理ST2〜3等)。
  • 下地損傷:張替え・防水改修・役物交換を含む。

 

6|“劣化させない”ための設計と施工

設計

  • 形状で水を“ためない”(笠木・水切り・ドレン)。
  • 低汚染・親水・ラジカル制御・フッ素/無機など高耐候の選択。️
  • 屋根は遮熱で温度ピークを下げる。☀️↘️

下地処理: 高圧洗浄/ケレン/素地調整(フィラー・パテ)/プライマー適合

施工条件: 温湿度・露点差管理、規定膜厚・乾燥時間厳守過希釈禁止。️⏱️

付帯: シーリングは打替え優先・三面接着回避、金物は防錆系下塗り。️

排水計画: 縁切り(屋根スレート)、シールで“水止め”しない箇所を理解。⛏️

 

7|環境別メンテナンス目安

  • 海沿い・工業地帯・強日射面:短め(例:8〜10年で再塗装検討)。☀️
  • 都市部・標準環境10〜15年。️
  • **ハイグレード塗料(フッ素・無機)**はさらに延伸可。️
    ※素材・方位・設計・施工品質で大きく変動。定期点検で決めるのが原則

 

8|よくある“施工起因”の劣化と防止策

  • 洗浄不足→密着不良:下地に合う洗浄圧・洗剤を選びリンス徹底
  • 過希釈→膜厚不足規定希釈・ウェット量を守る。⚖️
  • 乾燥不足→艶ムラ・縮みインターバル厳守、天候読み。⏱️️
  • 相性不良→ベタつき・剥離:可塑剤ブリード対策プライマー、試し塗り
  • 目地処理不良→割れ再発バックアップ材・プライマー・厚み管理

 

9|アフターと記録の“コスパ最強”運用

  • 竣工台帳:材料銘柄・ロット・希釈率・膜厚・天候・写真。️
  • 定期点検:3か月→1年→以後1〜2年ごと(洗浄・小補修で延命)。
  • クリーニング:雨筋・藻カビは早期に除去して再付着を抑える。

 

10|現場用チェックリスト

☑︎ 症状(場所・面・範囲・発生日)
☑︎ 下地種別・含水率・pH・塩分
☑︎ 洗浄・ケレンの実施内容
☑︎ プライマーの適合と塗布量
☑︎ 上塗りの膜厚・回数・乾燥時間
☑︎ シーリング(打替え/増し打ち・プライマー有無)
☑︎ 役物・金物の防錆処理
☑︎ 施工環境(温度・湿度・露点差)記録

**劣化は“自然現象”**ですが、設計(形状・材料)×施工(下地・膜厚・条件)×維持(洗浄・点検)で速度をコントロールできます。⏳⚙️
症状だけで判断せず原因→診断→対処をワンセットで。これが、仕上がりを長持ちさせ、クレームと再工事コストを最小化する最短ルートです。️️

 

 

 

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